日本最大級のポータルサイト「Yahoo!JAPAN」を運営するヤフー(本社・東京都港区、井上雅博社長)は13日、携帯電話からもパソコンからもシームレスにアクセスできるデジタルコンテンツの流通サービス「Yahoo!コンテンツストア」を開始した。06年にも始まる携帯電話の番号ポータビリティ制度をにらみ、コンテンツの購入や各種インターネットサービスを、携帯電話の通信事業者に関わらず利用できることが最大の特徴。当初は17カテゴリ、120コンテンツで携帯電話向けにサービスを始め、毎日新聞もニュースコンテンツ「毎日新聞PLUS」(月額315円)を提供する。
同社の井上雅博社長は同日の会見で「モバイルインターネットには以前から関心があった。現在、携帯電話でのデジタルコンテンツ利用には、キャリアの制限が多く、そこが利用者には不便だったと思う。今後、利用者の利便性を高めるために、コンテンツポータビリティを実現したい」と事業にかける意気込みを強調した。
06年に導入予定の携帯電話の番号ポータビリティ制度を受け、通信事業者(キャリア)を変更する利用者の増大が予想されるが、キャリアを変えるとメールアドレスや利用していたコンテンツサービスなどは再度契約しなおさなければならず、利用者の手続きが煩雑になると予想される。インターネット上のサービスである「コンテンツストア」では、どのキャリアからでも閲覧、検索、購入手続きができる。
将来はYahoo!のIDさえ持っていれば、携帯電話やパソコンに限らず、多様な情報通信端末からいつでもアクセスできる「ユビキタス」なデジタルコンテンツ流通サービスを目指している。利用者の利便性が著しく向上するのでコンテンツ利用が促進されることが期待できる上に、それぞれのコンテンツの価格などはコンテンツの提供側が比較的自由に設定できる。同社は課金管理、決済代行などのシステムを提供することでコンテンツプロバイダーの参加を促す。
ヤフーはすでに携帯電話向けサイトを00年6月から提供しており、10月中には月間10億ページビュー(PV)を達成する見込み。集客力を背景に、今後もコンテンツを拡充し、デジタルコンテンツ販売でも最大級の集客を目指す。【磯和 春美】
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