国内最大のインターネット検索・ポータルサイト「ヤフー」の井上雅博社長は2日、大阪市内で開かれた第53回民間放送全国大会のシンポジウムで、「テレビとインターネットは使い方も見方も違うため、連動はあるが融合しないと思う」などと発言、TBSとの経営統合で「通信と放送の融合」を打ち出した楽天の姿勢を間接的に批判した。
大会は全国の民間放送局203社が加盟する日本民間放送連盟(民放連)が主催。井上社長はテレビとインターネットの融合をテーマにしたシンポジウムにパネリストの一人として出席し、「利用者の立場からすると、特定の(放送局の)ものしか見られない(ネット上の)コンテンツは不便だ」などと語った。
また、大会式典で日枝久・民放連会長(フジテレビ会長)は「放送は単なる伝送具ではない。放送と通信は互いの特長を生かし連携することこそ望ましい情報化社会になる」などとあいさつした。不祥事が続いたNHKについては「公共放送の原点に立ち返り、一刻も早く国民の信頼を取り戻し、経営基盤を安定させることを望む」と話した。【北林靖彦】