楽天がTBSに経営統合を提案している問題で、楽天は30日、「TBSが進めている安定株主対策は過剰防衛にあたる」としてTBSに抗議する方針を固めた。また、TBSが日米大手証券会社から助言を受ける契約を結ぶことも「数億円の資金を浪費し株主利益を損なうもの」と、TBS株主に訴える構えだ。TBSから事業提携案について質問を受けている楽天が“逆襲”に転じた形で、統合問題をめぐる両社の駆け引きが一段と激しくなってきた。
TBSは、楽天がTBSの発行済み株式を19%強取得したことに対抗し、取引先や系列局など親密企業にTBS株の購入を依頼するなど安定株主対策を進めており、50%前後を確保したとしている。
楽天側は、TBSの株価が高騰している中で親密企業に株式取得を求めている点に着目。TBS株が先行き値下がりすれば損失を抱える可能性があるのに、TBS株の購入を要請するのは「過剰防衛」に当たるとみている。楽天はさらに、「TBS株の購入企業が損失を被った場合、どう対応するのか」と、安定株主対策に強い疑問を示している。
一方、TBSは投資会社の日興プリンシパル・インベストメンツのほか、日興シティグループ証券、メリル・リンチ証券から財務助言を受けるアドバイザー契約を結ぶことにしている。これについても、楽天は「契約金は数億円に上る」と試算。「経営者の保身のために会社の財産を費やしているのではないか」として、TBSによる株主の財産、利益侵害の可能性を指摘している。
楽天は近く、TBSからの質問に回答するのに併せ、こうした主張をTBSに伝える方針だ。【TBS問題取材班】