来年4月に国際物流事業への参入を目指す日本郵政公社は、提携交渉中のオランダの大手国際物流会社「TNTポスト・グループ」(TPG)との合弁会社を日本国内と中国にそれぞれ設立する方針を固めた。国内郵便事業が低迷する中、新会社を拠点に成長が見込めるアジア市場に活路を求める方針で、31日にも発表する。
郵政公社とTPGは、昨年10月から提携交渉に入っていた。日中両国に設立する合弁会社は、それぞれ現地での荷物配送などを担う。航空便などを利用した企業向け荷物を取り扱う予定で、郵政公社と全日本空輸(ANA)が共同出資して来年春に設立する貨物機運航会社に輸送業務を委託する。
TPGは世界200カ国以上で事業を展開する世界的な総合物流企業。世界の物流市場では、TPGのほか、米フェデラル・エクスプレス(フェデックス)やドイツポスト傘下のDHLなど大手の寡占化が進んでいる。後発組の郵政公社は、市場開拓の余地が大きいアジアを軸に国際物流事業に本格参戦し、民営化後の新たな収入源としたい意向で、今月20日にANAとの提携を発表していた。【望月靖祥】