静岡県伊豆の国市の県立高校1年の女子生徒(16)が母親(47)に劇薬のタリウムを飲ませたとして殺人未遂容疑で逮捕された事件で、少女がパソコンでつけた日記に、タリウムを与えたことを「実験」とほのめかす記述があったことが3日、分かった。これまで家族間のトラブルなどは確認されておらず、県警はタリウムの効果を試すため、母親に摂取させた可能性もあるとみて、慎重に捜査している。
調べでは、自宅から押収された少女のパソコンの中に「死なないように薬を与えなければならない」などの記述があることが判明した。パソコンには母親の病状が詳細に書かれ、病室の母親や母親の心電図を写した写真も見つかった。また、少女は家族らを毒殺し、症状の経過を記録した英国のグレアム・ヤングに傾倒していた。これらのことから、県警は母親を使った「実験」の可能性もあるとみている。
また、パソコンの日記には病室でコップを洗うふりをして、タリウムをコップの内側に塗ったという記述も見つかった。母親は入院後に体調を悪化させており、入院中もタリウムを飲まされた可能性もあるとして、県警は病院の医師からも事情を聴いている。
少女は今年8月中旬、「化学部の実験で使う」として自宅近くの薬局でタリウムを購入したことが分かっている。他に購入ルートがないかも調べている。【古関俊樹、鈴木英世】