横浜市鶴見区の市立中学校で、社会科の男性教諭(40)が約1カ月前から3年生の男子生徒(14)の鼻にチョークを押し込もうとするなどの「いじめ」を繰り返し、2日には頭を柱にぶつけ軽傷を負わせていたことが、生徒の家族の話などで分かった。校長らは「体罰ではないが不適切な指導だった」と負傷させた非を認め生徒に謝罪した。しかし校長は「(嫌がらせは)知らなかった」と話し、今後調査するという。
同校や生徒の家族によると、男性教諭は2日午後3時20分ごろ、友人数人と2階廊下にいた男子生徒に「早く帰れ」と怒鳴り、ワイシャツの襟をつかんで柱に頭をぶつけた。その場で謝罪したが、校長には報告しなかった。生徒は帰宅後、病院で脳しんとうと診断され、校長ら3人が改めて生徒に謝罪し、市教委に事実関係を報告した。男性教諭は「生徒が横を向いたように思い、振り向かせようとした」と釈明したが、校長は「襟を強く引っ張る必要はなかった」と認めた。
男性教諭は昨年から男子生徒の授業を担当。生徒の家族によると、生徒が忘れ物をすると、他のクラスで「教科書を貸さないように」と言う▽質問に「分からない」と答えると「お前はもうダメだ」などとののしる▽チョークを鼻に押し込もうとする--などの「いじめ」を繰り返していた。他の生徒にも声を荒らげることが多かったが、校長は「昨年から数回口頭で注意したが、(嫌がらせは)把握していなかった。事実なら不適切だ」と釈明している。
生徒は「受験もあるが、教諭のことを考えると勉強に集中できない」と話しているという。【堀智行】