専用の消しゴムで文字が消えるボールペンを使ってマンションの管理費約1300万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課と高輪署などは10日、川崎市多摩区登戸、不動産会社「アイゼットエム・キネン」社長、福田稔(59)と、千葉県鎌ケ谷市中央2、同社取締役、松永茂(57)の両被告=業務上横領罪で起訴=を、詐欺と有印私文書変造・同行使の疑いで再逮捕した。二十数カ所のマンション管理組合から計2億円を詐取、横領したとみられる。
調べでは、両容疑者は共謀、04年8~9月、同社が管理を受託していた東京都品川区武蔵小山のマンション管理組合の払戻請求書2枚を変造し、同組合の預金口座から2回にわたって現金計約1300万円をだまし取った疑い。両容疑者とも容疑を認めている。
両容疑者は、ボールペンで1000円台の数字をあらかじめ書き込んだ同組合の払戻請求書を用意。組合の理事長の妻(36)に「間違って会社から管理組合の口座に入金してしまった」とうそを言って銀行印を押してもらい、その後、「¥」の部分を消しゴムで消し、数字を書き加えて900万円台の払戻請求書に変造していた。同様の手口で400万円台の別の払戻請求書も作った。
【三木陽介】