神奈川県伊勢原市の排ガス精製工場で昨年3月、有毒物質を詰めた筒が爆発し3人が死傷した事故で、県警捜査1課などは10日、「日本パイオニクス」(東京都港区)の北原宏一社長(62)ら当時の幹部5人を業務上過失致死傷容疑で横浜地検小田原支部に書類送検した。
調べでは、北原社長らは昨年3月15日、伊勢原市鈴川の同社平塚工場伊勢原分工場内で、社員らに有毒物質を運搬させ、安全教育や作業監督など十分な安全対策を怠ったため、爆発を引き起こし3人を死傷させた疑い。
同工場では、半導体製造で出た有毒ガスを吸着した除害剤を山梨県内の工場から持ち込み、無毒化する作業をしていた。出向社員らは、除害剤を詰めたステンレス製筒(直径約27センチ、長さ90センチ)を手で押して工場内に運ぶ途中、筒底のキャスターが溝に挟まり、抜き出そうとしたところ爆発した。同課は動かしている間に、容器にすき間ができて空気が入り、化学反応が起こって爆発したと判断した。【渡辺創、鈴木一生】