世界で初めて、小惑星の岩石採取を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ」が12日、目標とする小惑星イトカワに向け降下リハーサルを実施し、高度約55メートルまで接近、これまでで最も近づいた。その後、イトカワ表面を観測する小型探査ロボット、ミネルバを投下したが、JAXAは「ミネルバは、イトカワへ到達できない可能性が高い」との見通しを明らかにした。
この日の降下実験は、4日に高度計のトラブルで中止したリハーサルのやり直しだった。19日と25日に計画しているイトカワへの着陸と岩石採取の試みは実施する予定。
JAXAは日本時間の12日午後3時すぎ、「はやぶさ」へミネルバ分離の信号を送った。しかし、想定していた高度約70メートルではなく、高度約200メートルから分離したとみられる。ミネルバは「はやぶさ」と通信を続けており、そのままイトカワの人工衛星になった可能性もあるという。
ミネルバは重さ591グラム、手のひらに乗る小さなサイズ。【永山悦子】