2人の結婚式が行われた15日、東京都心は12月中旬並みという肌寒い朝を迎えた。沿道には約6000人が詰め掛け、自分たちの家族と重ね合わせながら、2人の記念日を見守った。【早川健人、種市房子、佐々木洋】
渋谷区の黒田さん宅マンションは、各室住民が「慶祝」と書かれた紅白の小旗を飾り、祝賀ムードに包まれた。この日朝は住民約30人が見送りに集まり、午前8時半、黒田さんがモーニング姿で現れると一斉に拍手。黒田さんは笑顔で会釈して迎えの車に乗り込んだ。
近くの主婦(42)は黒田さんと16年来の知り合い。12歳の長男が遊んでもらうこともあったという。「テレビで見ていると緊張しているなと感じた。でも、今日の黒田さんの笑顔は輝いていた」
紀宮さまの車列は午前10時10分に皇居正門を通過、二重橋前に集まった約500人の歓声に包まれた。「おめでとう!」。大きな声が上がり、開けられた車の窓から白いロングドレス姿の紀宮さまが笑顔で応じた。
山口県宇部市の主婦、後藤カズ代さん(60)は夫が単身赴任で住んでいる港区内の家に泊まって皇居前に来た。皇后さまの深い愛情ある子育てがあこがれ。紀宮さまたちの成長と自分の2人の子供の成長を重ね合わせてきたという。「31歳の長女は独身ですが、手元に置いておきたいという気持ちよりも、良い人と出会って良い人生を送って欲しいという気持ちの方が強いです」
最前列で望遠レンズ付きカメラを構えていた横浜市金沢区のデザイナーの男性(41)は朝6時半に二重橋前に一番乗りした。「非常におめでたい行事なので、ぜひ写真におさめたかった。自分は黒田さんと年が近いが、まだ独身。あやかりたい」と笑顔で話した。
千葉県柏市の主婦、成田朋子さん(32)は「紀宮さまと年が近く、親近感があったので、一目見たかった。同じ主婦として幸せになっていただきたい」と話した。
式場の帝国ホテル前でも大勢の市民が2人を見守った。千葉県八千代市の主婦、宇佐美幸栄さん(64)は「自分の二女が幼い時によく、紀宮さまに似ていると周囲から言われたせいか、紀宮さまには特別な思い入れがある。おめでたい日を一目見ようと来ました」と語った。