45年ぶりとなった天皇家の女性の結婚は、派手さを好まない2人の意向もあるが皇室の質素さを表したものだった。皇室の伝統儀式や慣習を守る一方で、時代の変化を取り入れた新しい形も目立った。
結婚式の数日前に黒田家側親族に両陛下から「お仕向(しむけ)」があった。あいさつの意味が込められ、「鮮鯛(せんたい)料」と老舗和菓子メーカーの羊かんが贈られたが、鮮鯛料は数千円という。昨年の婚約内定時に両家が取り交わした「御万那(おまな)料」という祝い金も3000円(関係者)だ。関係者は「皇室はつつましやかな生活をされている。重要なのは伝統儀式を皇室がいかに大切にしてきたかです」と指摘する。
実際、「納采(のうさい)の儀」や「告期(こっき)の儀」、「朝見(ちょうけん)の儀」など一連の伝統儀式は伝統にのっとり行われた。しかし、その一方で、民間ホテルを使い、仲人を立てず、天皇、皇后両陛下が内親王の披露宴に出席するのも、皇室の結婚では初めてだった。【大久保和夫】