【メルボルン(豪州)堤浩一郎】体操の第38回世界選手権は22日、当地のロッド・レーバー・アリーナで開幕する。53カ国・地域から275選手が参加。日本からは03年の前回大会で男子個人総合銅の冨田洋之(セントラルスポーツ)ら男女9人が出場する。
今大会は個人戦のみ行われる。男子個人総合には、冨田と今夏のNHK杯を制した水鳥寿思(徳洲会)がエントリー。冨田は74年の笠松茂以来となる金メダルの期待が高まり、世界選手権初出場の水鳥もメダルに届く実力は十分にある。
冨田はミスが続いていたあん馬で安定感を取り戻し、平行棒の構成を10点満点に上げて臨むなど意欲十分。実力者のポール・ハム(米国)、楊威(中国)が参加せず、梁泰栄(韓国)も手のけがで個人総合から外れた。冨田は「ライバルのことより、自分の演技をこなしたい」と気を引き締める。
男子種目別では、あん馬の鹿島丈博(セントラルスポーツ)が2大会連続金を狙う。左肩のけがで、同じく連覇がかかった鉄棒は出場を断念。しかし、「あん馬に関しては問題ない」と語る。マリウス・ウルジカ(ルーマニア)、肖欽(中国)らとの争いとなりそうだ。
女子は世界トップとの実力差が大きく、89年の第25回大会での信田美帆(平均台)以来入賞者がない。個人総合には、東アジア競技大会で3位と調子を上げている大島杏子(朝日生命ク)が出場。張楠(中国)、アンナ・パブロワ(ロシア)ら一流選手に、どこまで近付けるか。不振の石坂真奈美(国士大)は予定していた個人総合には出場せず、種目別に回る。