広島市安芸区の小学1年女児殺害事件で、女児の遺体が入れられていた段ボール箱のふたを閉じていたガムテープに、布製手袋による圧迫痕が付いていたことが広島県警捜査本部の調べでわかった。殺人容疑などで逮捕されたペルー人のフアン・カルロス・ピサロ・ヤギ容疑者(30)が殺害の関与発覚を恐れ、遺体を隠す際に手袋をはめたとみられる。遺体は日中に屋外に放置しており、捜査本部は、ピサロ・ヤギ容疑者に、遺体を急いで遺棄する必要に迫られた事情があるとみて調べている。
調べによると、ガムテープは黒色で、100円ショップで販売されているもの。遺体が発見された当時、段ボール箱の上ぶたにガムテープを何枚も張った状態だった。女児は横向きに入れられていたが、ふたのすき間から制服の一部が見える状態できちんと張られていなかったという。手袋でガムテープを強く押した跡が残っており、焦りで力を入れ過ぎた可能性がある。
女児が死亡したのは11月22日午後1~2時ごろとみられ、それから間もない同2時35分ごろには、遺体を詰めた段ボール箱がピサロ・ヤギ容疑者のアパートから約100メートル離れた空き地で見つかっている。捜査本部は、自宅で殺害したとみており、人目につきやすい昼間にわざわざ遺体を運んだ経緯を追及している。
遺体発見時、段ボール箱には、チョコレートの包み紙のほか、ゴムホースの結束バンドなどが入っており、いずれもピサロ・ヤギ容疑者の身近にあるものだった。ガスコンロも東広島市の量販店で10月末に購入したことが判明。多くの遺留品がピサロ・ヤギ容疑者の絞り込みにつながった。
◇ピサロ・ヤギ容疑者を送検
また、捜査本部は1日朝、ピサロ・ヤギ容疑者を広島地検に殺人、死体遺棄容疑で送検した。
毎日新聞 2005年12月1日 15時00分