ヒラリー・クリントン米上院議員は29日(米国時間)、「M」(17歳以上)指定のゲームを17歳未満に販売・貸し出しすることを禁じる法案を、議会に提出すると発表した。業界の自主的な年齢指定制度は維持するものの、指定が適切かどうか第三者機関が監査する仕組みも導入する。米国ではカリフォルニアなど一部の州で規制の動きが強まっていたが、連邦レベルに発展した。
「M」は「AO」(成人向け)の一歩手前のランク。これまでも「M」の販売は自粛されていたが、十分に守られていないため、法律で禁止に踏み切る。さらに、年齢指定自体も甘いとして、第三者機関に年1回チェックを実施させる。成立までには曲折が予想されるが、議会は賛成派が多いとみられ、規制強化が実現する可能性が高い。
一方、消費者問題などに対処する連邦取引委員会(FTC)の権限も強化。保護者の苦情受付窓口を開設するほか、おとり調査を含めた小売店の抜き打ち検査を行わせる。業界による自主規制という大枠は変えないものの、政府の関与を強める。一部の州の規制法は憲法違反として訴訟を起こされているが、それに比べ現実的な内容になっており、成り行きが注目される。
人気ゲームの「グランド・セフト・オート・サン・アンドレアス」に、性交渉の場面が隠されていたことが7月に発覚したのを受けて、同議員は立法に乗り出した。この日は法案の骨格を発表、12月に議会へ提出することを表明した。【南 優人/Infostand】