○ヤクルト9-7ロッテ●
延長十一回、ヤクルトはリグスが初登板のロッテ・ミラーからバックスクリーン直撃の14号2ランを放ち決勝点を挙げた。ロッテは5点リードされながら七、八回で追いつく粘りを見せたが、あと1点が取れず、連勝は5でストップ。
▽ヤクルト・古田監督 リグスだけじゃないけれど、よく働いてくれている。打つと思って(打線の)上位に使っているわけだから。
▽ロッテ・バレンタイン監督 (七、八回で5点差を追いついた粘りについて)素晴らしい追い上げを見せてくれた。ただ、試合の最後に相手が点を取り、うちは取れなかったということだ。
○…交流戦首位争いの第2ラウンドにケリをつけたのは、ヤクルト・リグスが放った特大の一発。延長十一回、1死二塁の場面でロッテ・ミラーの真ん中直球をジャストミートすると、打球はバックスクリーンに飛び込んだ。「ウチもロッテも調子がいいだけに、勝利をもたらす本塁打が打ててうれしい」とリグス。これで5月だけで12本塁打と絶好調だ。「ホームランが出る理由? わからないよ。ただ、不調だった4月に使い続けてくれた監督、コーチへの感謝の気持ちでいっぱいだ」と優等生外国人らしいセリフで締めくくった。
○…上手と下手、どちらからでも投球できるロッテの新人・相原(富士大卒)が、五回無死一塁から2番手としてデビューした。中継ぎの藪田が肩痛で登録抹消されたのに伴い、30日に1軍登録をされたばかり。試合前には「(登板の)チャンスは少ないと思うのでがんばりたい」と語っていたが、その気持ちが空回り。制球が定まらず1回3分の2を投げ2失点。上手と下手を自在に織り交ぜる持ち味を発揮できなかった本人は「場の雰囲気に負けてしまいました」とがっくり。
○…勝敗を分けたのは、この日が初登板だったロッテの新外国人ミラーの投球だ。延長十一回1死二塁から登板したミラーは、緊張からか制球が全く定まらない。1、2球と明らかなボール球を投じてカウントを悪くし、ストライクを取りにいった3球目の137キロの直球をバックスクリーンに叩き込まれ、決勝点を与えてしまった。「ストライク先行で先に追い込まないといけなかったのに……」と反省の弁。バレンタイン監督も「最初の打者が終わるまではまったくいい球が投げられなかった」と、先頭打者にいきなり本塁打されたことがショックな様子だった。
○…ロッテが三回にパ・リーグタイとなる連続イニング安打記録を作った。橋本、福浦が凡退し、記録達成に黄信号がともったが、次打者フランコの打球が一塁ベースを直撃して、幸運な右前打に。次のサブローの三塁前への当たりもよくなかったが内野安打。これに相手の悪送球が重なり、2死二、三塁と好機が広がった。続く大松は「最初からストライクでくるはず」と読み、初球を中前に弾き返して一気に2点を返すソツのなさ。交流戦、リーグ戦ともに首位を走るチームらしい攻撃だった。
◇21イニング連続安打=パ・リーグタイ記録 ロッテが27日の巨人戦(東京ドーム)延長十回から31日のヤクルト戦(千葉マリン)三回までで記録。52年の南海、03年のダイエーに並んだ。プロ野球記録は05年にヤクルトが記録した23イニング。
毎日新聞 2006年5月31日 22時24分 (最終更新時間 5月31日 23時21分)