会社の口座から現金を着服していたとして、警視庁捜査2課と丸の内署は14日、名古屋市昭和区、プラスチック製品卸会社「トーメンプラスチック販売」(東京都千代田区)の元財務経理部長、田中裕二容疑者(55)を業務上横領容疑で逮捕した。同社は総合商社の旧「トーメン」(豊田通商と合併)の子会社で、警視庁は、04年5月~05年2月にかけて約1億8000万円を着服したみて追及する。
調べでは、田中容疑者は経理を担当していた04年10月~12月、数回にわたって計2300万円を同社の銀行口座から引き出して着服した疑い。「競馬や借金の返済に使った」と容疑を認めているという。
田中容疑者は会社の口座や通帳、印鑑などを管理。05年2月に依願退職した。同4月に帳簿に不自然な支出があることに別の社員が気付き、不正が発覚。同社が同6月に丸の内署に告訴していた。
民間信用調査会社によると、同社は81年設立。05年3月期の売上高は約401億円。今年4月に旧トーメンが豊田通商と合併したのに伴い、豊田通商の100%子会社になった。【三木陽介、石丸整】
毎日新聞 2006年6月14日 11時34分