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秋田男児殺害:畠山容疑者「玄関で殺意」 弁護士明かす

秋田県藤里町立藤里小1年の米山豪憲君(7)が殺害された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された無職、畠山鈴香容疑者(33)が接見した弁護士に「玄関のドアを閉めた時に殺意が生まれ、玄関で殺害した」と話していることが分かった。弁護士が14日、記者会見で明らかにした。県警能代署捜査本部の調べにも同様の供述をしているという。畠山容疑者はこれまで、豪憲君の姿を見て切なくなり、4月に水死した長女彩香ちゃん(9)の部屋で衝動的に殺害したと供述していた。捜査本部は事前に殺害を計画していた可能性が高いとみて追及している。

 弁護士によると、畠山容疑者は5月17日午後3時半過ぎ、下校する豪憲君に「彩香の思い出に何かもらってほしい」と声をかけ、豪憲君を自宅に呼び入れた。先に豪憲君が玄関に入り、後ろから入ってドアを閉め2人きりになった時に殺意が生まれたという。「帽子や背格好が彩香と重なった。苦しくて、切なくて、(胸が)張り裂けそうになった。しっとのような感情がなかったわけではない。他の子が生きていて、という複雑な気持ちが混じっていた」と動機を話している。

 豪憲君に「玄関の所で待っていて」と言い、軍手を取り出したうえで、腰ひもを彩香ちゃんの部屋に取りに行き、玄関に立っていた豪憲君の首を後ろから絞めたという。軍手は雪かき用で、腰ひもは栃木県内の旅館に勤めていたころの物で、最近は洗濯物を干すために使っていたという。

 その後一度外に出て軽乗用車の方向を変え、遠足用のビニールシートに遺体をくるんで後部荷台に乗せ、能代市内の市道脇の草むらに、ガードロープ越しに滑らせるように遺体を置いたという。

 畠山容疑者はこれまで、豪憲君を彩香ちゃんの部屋で殺害した後、靴を履かせて遺体を運んだと供述していたが、捜査本部の取り調べで不自然さを指摘され、供述を翻した。5月14日に藤里小学校で開かれた運動会を、彩香ちゃんの写真を持って見に行った際、「元気な子供たちの姿を見てだんだんつらくなった。複雑な心境だった」とも話している。捜査本部はこのころから殺害を計画した可能性もあるとみて調べている。【伊沢拓也、馬場直子】

毎日新聞 2006年6月14日 11時44分

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