青森公立大(青森市)で04年に多額の公金流用が発覚した問題で、青森県警青森署は同大の元総務課長(48)=05年3月に懲戒免職=を業務上横領容疑で16日に逮捕する方針を固めた。同大ではこれまで1億円を超える公金の流用が判明しており、青森市などで作る大学設置者の広域事務組合が05年3月に元総務課長を詐欺容疑で告訴していた。
調べでは、元総務課長は同大事務局に勤務していた93~03年度の間、教員の国内外旅費などについて正規の金額より水増しして申請したり、架空の旅行計画書を作成したりして約1億2000万円を浮かせ、大部分を研究費など他の目的に流用した疑い。
青森署は関係者の事情聴取を続けてきたが、元総務課長が流用金の一部を私的に着服していたことが確認できたため、詐欺ではなく業務上横領容疑での逮捕を決めた。
元総務課長は不正流用が発覚した直後の04年4月、毎日新聞の取材に「よりよい教授を大学に呼ぶためには、研究費などを多く出して、(教授たちに)気に入ってもらえる必要があった」と話していた。【喜浦遊、村松洋、太田圭介】
毎日新聞 2006年6月16日 8時00分