耐震データ偽造事件で、警視庁などの合同捜査本部は26日、元1級建築士、姉歯秀次被告(49)=建築基準法違反などで起訴=を、国土交通省が告発していた4物件についての構造計算書改ざんに関する同法違反容疑で追送検した。これで一連の事件の捜査は終結に向かう。
調べでは、姉歯容疑者は03年2月~04年5月、いずれも東京都内の分譲マンションの「グランドステージ東向島」(墨田区)、「グランドステージ稲城」(稲城市)、「ステージ大門」(港区)と、ホテル「京王プレッソイン茅場町」(中央区)の計4棟の構造計算書を改ざんし、耐震強度が基準を下回る建物を建設させた疑い。4物件の強度は国交省の調査で基準の26~33%だった。
姉歯容疑者は、知人の建築設計業者に1級建築士の名義を貸した建築士法違反ほう助容疑で4月に逮捕、起訴された。今月22日、国会でうその証言をしたとする議院証言法違反(偽証)容疑でも逮捕されている。【佐々木洋】
毎日新聞 2006年6月26日 11時22分 (最終更新時間 6月26日 11時33分)