与謝野馨金融・経済財政担当相は4日午前の閣議後会見で、日銀のゼロ金利政策解除について「7月にやっていただいても、8月にやっていただいても、日銀が独立性のもとで判断すること」と述べ、7月13、14日の日銀政策委員会・金融政策決定会合での解除を容認する考えを明らかにした。内閣府を所管する与謝野経財相の容認発言は、決定会合でのゼロ金利解除の議決を政府として阻止しないことを意味しており、7月解除の流れが一層加速しそうだ。
日銀は、3日発表の企業短期経済観測調査(短観)で景気拡大基調が続いていることが裏付けられたことなどから、ゼロ金利解除の環境が整ったとの判断を固めている。与謝野経財相は、決定会合に政府代表として出席し金融政策に意見表明する内閣府を所管している。決定会合には財務省からも出席するが、政府として決定会合でゼロ金利解除など金融政策変更の先送り(議決延期請求)を求めるには両府省の見解が一致する必要があり、同相の容認発言で事実上、政府による議決阻止の可能性はなくなった。
ただ、谷垣禎一財務相は4日午前の会見で「デフレに戻らないためゼロ金利で経済を支えていただく必要がある」と発言。安倍晋三官房長官もゼロ金利政策の継続を求める意向を示すなど、7月解除は時期尚早との見方もある。このため、日銀は今後の株価や米国経済の動向を見極めながら、ゼロ金利を今月解除するかを最終判断する方針だ。【尾村洋介】
毎日新聞 2006年7月4日 12時08分 (最終更新時間 7月4日 12時13分)