道産子になじみのジンギスカンを羊肉ではなくクジラ肉を使った「鯨ジンギスカン」を、水産加工会社「トナミ食品工業」(本社・北海道函館市、利波英樹社長)が製品化し、クジラの食文化を広める「函館くじら普及協議会」(藤原厚会長)が19日から、函館市内の鮮魚店で一斉に販売した。すでに北斗市や札幌市では売り出され、今後、首都圏でも発売する。
同社はマイカの加工食品「いかそうめん」が主力商品だが、函館も基地港の一つとなっている調査捕鯨のクジラ肉が増えたことから、昨年、ベーコンや竜田揚げなどを製品化。今回はジンギスカンに取り組んだ。特製たれは、独特の臭みを消すためショウガやニンニクが入り、リンゴ果汁を加えて、肉質を軟らかくした。
今回は北西太平洋で昨秋に捕獲されたイワシクジラの肉5トンを購入し、たれを含めて250グラム入り(肉は正味200グラム)のパックを2万パックを販売する。1袋800円だが、初日の19日は2袋で1000円の特価で売る。
利波社長は「クジラ肉を食べる文化が遠のいているが、家庭で簡単に調理できるようジンギスカン風のたれで味付けした。焼き肉店や居酒屋のメニューにも加えてほしい」と話している。【安味伸一】
毎日新聞 2006年7月19日