東京都の石原慎太郎知事は21日の会見で、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に昭和天皇が不快感を示していたことを示す資料が見つかったことについて、「そのお気持ちはよく分かりますね」と語った。自身が今年も靖国神社を参拝することを明言し、「私が戦争の責任者と思っているA級戦犯について祈るつもりは毛頭ない」と語った。
石原知事はA級戦犯について「占領軍が勝手に決めたもので、気の毒な立場の人もいるし、明らかに戦争の責任者もいる」と指摘。戦勝国による東京裁判を「一方的に勝者が敗者を裁く裁判に正当性はないと思う。日本人自身が裁くべきだった」と批判する一方、「裁判に正当性がないと言っても、断罪された人たちに罪がないというのはおかしい」と話した。
石原知事は就任2年目の00年から毎年、8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝している。【北村和巳】
毎日新聞 2006年7月21日 20時31分