自動車大手5社:日産、唯一国内外とも不振 06年上半期
自動車大手5社は24日、06年上半期(1~6月)の生産、販売、輸出実績を発表した。昨年末以降、販売不振が続く日産自動車は5社中で唯一、海外生産を含む4項目すべてで前年実績を割り込んだ。特に、国内生産は20.9%減、国内販売は11.7%減と2ケタ減で国内の低迷が際立った。カルロス・ゴーン社長は6月末の株主総会で「トンネルが続くのは(新車投入までの)向こう3カ月」と強調したが、日産の業績の落ち込みは、ゴーン社長が積極的な米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携交渉に微妙な影響を与える可能性もある。
日産は売上高に対する利益率を高めるために、昨年後半から順次、世界的に販売奨励金を削減している。日産は前の中期経営計画「日産180」で打ち出した「世界販売100万台増」の目標を05年9月末に達成したが、原動力の一つが販売奨励金だった。その削減は利益をあげるには効果的だが、販売台数減を招いた。
海外では、06年上半期に米国での販売台数が前年同期比5.7%減、欧州で同4.4%減だった。日米欧で下半期に新型車の集中投入を予定しているが、販売キャンペーンなどを支える資金が減る中で販売台数がどこまで回復するかは未知数の面もある。
一方、トヨタ自動車はガソリン高による小型車人気が追い風となり、北米での販売が前年同期比10%増の132万台に達したことなどから、国内生産、海外生産が過去最高を更新。上半期の世界生産合計が初めて400万台を超え、407万4104台に達した。【岩崎誠】
毎日新聞 2006年7月24日 19時11分