毎日新聞が22、23の両日実施した全国世論調査(電話)によると、インサイダー取引で起訴された村上世彰(よしあき)被告が代表を務めた村上ファンドに1000万円を投資していた日銀の福井俊彦総裁の進退について、「辞任すべきだ」と答えた人が67%にのぼり、「辞任する必要はない」の25%を大きく上回った。福井総裁の進退に国民が依然として厳しい見方をしていることが分かった。
「辞任すべきだ」と答えた人を性別でみると、男性が68%、女性が66%とほぼ同じだった。年代別にみると、「辞任すべきだ」と答えた割合が最も高かったのは50代で71%。「辞任する必要はない」と答えた割合が最も高かったのは30代で30%だった。
小泉内閣と自民党の支持者は「辞任する必要はない」と答えた人が比較的多かった。公明党と野党の支持者は「辞任すべきだ」が多かった。
一方、日銀の新しい内規について尋ねたところ、「信頼回復につながると思わない」と答えた人が47%にのぼり、「信頼回復につながると思う」と答えた44%をわずかに上回った。
福井総裁はこの投資で、1473万円の利益を上げていた。問題発覚後の会見などで、投資は利殖目的でなく、法・内規に違反していないと説明。「日銀に対する信頼を損ねたことを真摯(しんし)に反省している」などと陳謝する一方で、「粛々と職責を全うしていく覚悟に変わりありません」と辞任を否定している。【後藤逸郎】
毎日新聞 2006年7月25日