岩手県洋野(ひろの)町の会社員、上野紀子さん(52)と二女の会社員、友紀さん(25)が行方不明になった事件で、友紀さんが実家に戻った約1カ月前から実家の前で不審な車が目撃されていたことが分かった。岩手県警は24日、久慈署に捜査本部を設置。現場の状況から2人が連れ去られた疑いが強いとみて、殺人容疑で自宅などの現場検証を続けている。
調べによると、友紀さんが実家の洋野町に戻り、紀子さんと二人で暮らすようになったのは約1カ月前。住民によると、以来、見なれない車が上野さん宅に止まるようになったという。友紀さんの友人とみられる男の姿も目撃されており、捜査本部は友紀さんの交友関係を調べている。
現場は青森県境に近い山あいの集落で、車を使わずに外出することは考えにくい場所。自宅前にあった紀子さんの車と、東に約200メートル離れた空き地にあった友紀さんの車はどちらも施錠してあった。車のカギは見つかっておらず、犯人が持ち去った可能性もある。自宅の1階和室には多量の血痕が残っていた。
紀子さんと友紀さんは、19日午後5時ごろにそれぞれの勤務先を出たのを最後に、その後の足取りが分かっていない。【安田光高、念佛明奈】
毎日新聞 2006年7月25日