【クアラルンプール浦松丈二】東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議は24日深夜、イスラエルのレバノン侵攻を非難する中東問題の特別声明を発表した。特別声明は議長国マレーシアなどが提案した。25日夜までに共同声明などと一括採択される見通しだ。
特別声明はレバノン情勢に「重大な懸念」を表明した上で、「特にパレスチナ占領地とレバノンでのイスラエルによる一方的かつ無差別で過剰な武力行使を深く憂慮する」と、イスラエルを名指しで非難している。
声明はまた、双方の紛争当事者に「最大限の自制」と即時停戦を呼びかけ、国連安全保障理事会に停戦を順守させるよう要請。さらに、ライス米国務長官の中東訪問など国際社会の調停努力に期待している。
声明は、ASEAN域内で半数近い人口を占めるインドネシアやマレーシアのイスラム教徒に配慮したもの。イスラエルを名指しで非難することについては、シンガポールなどが一時難色を示したという。
毎日新聞 2006年7月25日 10時53分