【ワシントン和田浩明】訪米中の山崎拓・自民党前副総裁は24日、アーミテージ前米国務副長官とワシントン近郊で1時間余り会談した。アーミテージ氏は、日本の07年度予算の概算要求基準で防衛費が1%削減されたことに「非常に落胆した。(北朝鮮のミサイル発射)問題もあるのだから防衛費は拡充すべきだ」と語り、ミサイル防衛システムの導入も前倒しで進めるべきだと指摘した。山崎氏は「予算編成にはこれから深くかかわる。意見は参考にしたい」と述べた。
アーミテージ氏は、国連安全保障理事会の北朝鮮非難決議採択にも言及、日本政府の積極的な働きかけを評価した。同決議をめぐっては日中が一時対立したが、山崎氏は日本の常任理事国入りの必要性を強調し、「日中関係が政治的にうまくいかないと中国の反対がある限り、日本の常任理事国入りは果たせない。日中関係の打開は必要だ」と語った。
中国の対日姿勢についてアーミテージ氏は「3月以降、変わっているように感じる」と発言。山崎氏は4月訪中時の中国首脳との会談内容を説明し、「(日中関係改善のために)中国は真剣な姿勢を取っている」と話した。
毎日新聞 2006年7月25日 10時55分