【ジュネーブ澤田克己】世界貿易機関(WTO)のラミー事務局長は24日、多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が事実上凍結されたことを受けて会見し、年内のラウンド妥結が不可能となったことを公式に確認した。ラミー氏は、23日からの日米欧など主要6カ国・地域(G6)閣僚会合について、「(農業分野で)各国の間に埋め難い溝が残っていることが明らかになった」と指摘。「農業と鉱工業品分野での大枠合意なしでは、今年末までにラウンド全体を終わらせることが出来ない」と述べた。
交渉再開の時期については「私が日程を設定する考えはない」と述べ、加盟国間の話し合いに任せる考えを表明した。G6各国閣僚らは「2~3カ月よりは長い中断になる」(ブラジルのアモリン外相)という見方でおおね一致しており、少なくとも11月の米中間選挙前の再開はないとみられる。
ラウンドの終結期限は、米議会が大統領に与えた貿易交渉権限が来年6月末に切れることから逆算して今年末に設定されていた。だが、各国の利害がもっとも対立する農業と鉱工業品分野での大枠合意は、昨年12月という当初の合意期限を守れずに再三の延期を余儀なくされたうえ、中間選挙を控える米国が譲歩を拒否し続けたため身動きできなくなっていた。
毎日新聞 2006年7月25日 10時59分