中央三井信託銀行を傘下に持つ三井トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長は、毎日新聞のインタビューに対し、「住友信託銀行と一緒になれば効率運営はかなりできる」と述べ、将来的な経営統合に前向きな姿勢を示した。
田辺社長は「信託業務は規模のメリットがかなり働く」と指摘。統合で店舗や事務部門の統廃合を進めることを前提に、「無駄な配置が減り、より強くなれる組み合わせだ」と期待感を表明した。
ただし、「統合は当面考えていない」と、従来の姿勢も改めて強調。三井トラストが、成長分野に経営資源を集中しているのに対し、住友信託は買収による多角化を進めていることを踏まえ、「互いが信じている経営方針で少しやってみてというのが良いのではないか」と述べ、少なくとも2~3年間は統合に動かない意向を示した。
一方、三井住友銀行との資本提携については、「業務が補完関係にあるので業務提携は進めたい。ただ、合併や資本提携はほとんど意味がないと思う」と否定的な見方を示した。【宮島寛】