製紙業界最大手の王子製紙が北越製紙に経営統合を求めている問題で、王子は26日、三菱商事が北越の第三者割当増資に応じた場合でも、株式の公開買い付け(TOB)を実施し、北越の買収を目指す方針を固めた。王子関係者が同日、明らかにした。北越は、王子によるTOBを阻止する狙いから三菱商事を引受先とする増資を計画。王子は三菱商事に増資に応じないよう要請しているが、増資が実際に行われた場合、王子がTOBを実施するかどうかは、これまで不透明だった。
三菱商事が北越の増資に応じた場合、三菱商事は北越の発行済み株式の約24%を保有する筆頭株主となる。王子はTOBにより北越株の過半数を取得することを目指しているが、北越の増資がない方が、より過半数を取得しやすくなる。
王子は北越の増資差し止めを命じる仮処分を裁判所に申請することも検討している。増資実施の場合でもTOBに踏み切る強硬姿勢を打ち出すことにより、三菱商事に揺さぶりをかけ、北越との統合を有利に進める戦略もあるようだ。
毎日新聞 2006年7月27日