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バンコクは愛煙家にはつらい街である。空調設備がある公共施設や商業施設は全面禁煙だし、吸い殻を道端に捨てれば罰金だ。たばこのパッケージには肺がん患者やヤニで汚れた歯の写真が刷り込まれている。昨年9月からはとうとう店頭での陳列も禁止され、たばこを買うという行為は、禁制品をこそこそ買うかのような惨めな状況にまで追い詰められた。 二十数年来の喫煙者だが、こうした数々の圧力に屈し、先週から禁煙生活に入った。 約5日間は、食事の後など胸をかきむしりたいような禁断症状に見舞われた。だが、それを過ぎれば、空気はうまく、頭はすっきりし、肩こりまでが和らいだ。メリットばかりである。 一番ありがたいのは、知らぬ間に失われていたきゅう覚が取り戻せたことだ。バンコクの街はこんなに多様なにおいに満ちていたのかと新鮮に感じられる。 愛煙家いじめとしか思えなかった各種のたばこ規制策だが、たばこをやめた身から見ればいかにも当然の策と映る。人間とは実に都合のよいものだ。【藤田悟】 毎日新聞 2006年7月27日 |
憂楽帳:禁煙
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