厚生労働省は28日、ディーエイチシー(DHC、東京都港区)が販売する清涼飲料水「アロエベラ」からWHO(世界保健機関)が定めるガイドライン値(飲料水で10ppb以下=ppbは10億分の1)の7倍を超える発がん性物質ベンゼンを検出したと発表した。健康に重大な影響はないが、同省は自主回収を要請した。
今年春以降、清涼飲料水に使われる安息香酸(保存料)やアスコルビン酸(酸味料)が反応してベンゼンが生成されることが欧米で報告されていたことから、国立医薬品食品衛生研究所が分析していた。「アロエベラ」(720ミリリットル)では3検体で、ベンゼン73・6ppbを記録した。
同省食品安全部は「食品摂取からのリスクは少ない。毎日、何リットルも飲むなどしない限り摂取による健康への影響は問題ない」と話している。【北川仁士】
毎日新聞 2006年7月29日