【ベルリン斎藤義彦】国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会は3日、ドイツのMFフリンクス(29)に対し、2試合分の出場停止処分を行うと発表した。同委は30日にベルリンで行われたドイツ-アルゼンチンの準々決勝の試合直後、同選手がアルゼンチンのFWクルスを殴ったと認定した。4日のイタリアとの準決勝には出場できないが、2試合目は6カ月の執行猶予付きで、決勝か3位決定戦には出場できる見込み。
規律委は3日、フリンクスが左手でクルスのあごを殴打した映像などを再度調査。「挑発行為にあたる」として2試合の出場停止処分を決めた。さらに同委はフリンクスに5000スイスフラン(約47万円)の罰金処分を科した。3試合以下の出場停止は異議申し立てができず、処分は確定した。
ドイツのクリンスマン監督は処分発表を受け、同日夜のテレビ番組で「我々は事態を甘んじて受け入れなければならないがハードルを越え、イタリアを打ち破ると確信している」と述べた。
一方、イタリアのリッピ監督は同日、「フリンクスは重要な選手だが、ドイツの勝利への意志によって穴埋めされるだろう」と話すとともに、イタリア代表や協会が、FIFAに圧力をかけて調査させたとの疑惑を全面否定した。
規律委はドイツ-アルゼンチン戦直後に両チームの選手や監督などがピッチ上で乱闘になった事件を調査。フリンクスについてはビデオ映像が残っていたため、処分につながった。フリンクスは「何もしていない」と反論し、クルスも「覚えていない」と証言。ドイツサッカー協会も弁護士を立てて反論したが、聞き入れられなかった。
毎日新聞 2006年7月4日 9時04分 (最終更新時間 7月4日 9時06分)