東京都足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅近くの手動式踏切で昨年3月、4人が死傷した事故で、死亡した高橋俊枝さん(当時75歳)の遺族は1日、業務上過失致死傷容疑で書類送検された当時の東武鉄道運転課課長補佐と同駅長を不起訴とした東京地検の処分を不服として、東京第一検察審査会に審査を申し立てた。
申立書で、安全装置を解除して遮断機を上げる危険な行為を駅長らが放置していた問題を指摘。「事故発生は避けられないか、いつかは発生すると予見できた」と主張している。会見した二男の衛さん(44)は「管理監督していた本当に責任ある人たちを免罪にする処分は納得できない」と涙で声を詰まらせながら訴えた。
同事故では、同駅の元踏切保安係に対する禁固1年6月の実刑判決が確定している。2人について、東京地検は今年3月、「事故は踏切保安係が確認しないで遮断機を上げたため起きた。駅長らに事故の予見可能性はなかった」として嫌疑不十分で不起訴とした。【銭場裕司】
毎日新聞 2006年8月1日