鹿児島県の佐多岬沖で4月、鹿児島商船の高速船「トッピー4」が漂流物とみられる物体に衝突して100人以上が負傷した事故を受けて国土交通省は1日、座席とシートベルトの強度や形状を定める安全基準を新たに設けることを決めた。座席とベルトの規格は従来、メーカーの判断に任されていたが、事故では座席から投げ出されたり、着用していたベルトに圧迫されて負傷した乗客が出たため、衝撃吸収効果の高い製品の義務づけが必要と判断した。08年3月をめどに制定する。
国交省に設置された事故対策委員会の提言を受けた。同省は今後、専門機関に委託して、今回の事故や、他の高速船での衝突事例を解析。衝突規模や被害状況を調べたうえで強度や形状を定めた安全基準を設け、基準通りの製品設置を義務づける方針だ。【種市房子】
毎日新聞 2006年8月1日