鹿児島県の佐多岬沖で今年4月、鹿児島商船の高速船「トッピー4」の乗客乗員110人が負傷した衝突事故について、門司地方海難審判理事所(北九州市)は8日、船長(50)を受審人とする海難審判の開始を門司地方海難審判庁(同市)に申し立てた。指定海難関係人には鹿児島商船と同社の運航管理者(54)を指定、審判での証言を求める。
事故は4月9日午後6時ごろ発生。種子島から指宿港に向かっていたトッピー4が、流木とみられる物体に衝突。水中翼が欠損して大きな衝撃が起き、乗船者全員が負傷、重傷も27人に及んだ。
同理事所は申立書で「自社船や同業他社船がクジラや流木などと衝突する事故が多く発生していたのに、減速海域を定めるなど特段の安全対策を取らず、シートベルトの着用も徹底させていなかった」と、会社側の安全配慮への不備を指摘した。
毎日新聞 2006年9月8日