民主党は2日、経済産業、外務防衛などの合同部門会議を開き、原子力発電への推進姿勢を打ち出した新見解案について、9月の代表選後に取りまとめを延期した。党内から疑問の声が出たうえに、小沢一郎代表が新見解に理解を示しているのに対し、鳩山由紀夫幹事長が慎重論を展開するなど幹部間にも温度差があるためだ。
新見解案は原子力発電について「国民の理解と信頼を得ながら着実に取り組む」と推進姿勢を強調。従来の党見解にあった「過渡的エネルギー」として位置づけてきた文言は削除した。
だが、2日の部門会議でも「原子力は次のエネルギーへの過渡的なもので『過渡的エネルギー』という表現が必要」「原発への国民の不安を受け止めるべきだ」などという意見が相次いだ。
小沢氏は先月27日の記者会見で「(原発は)実際の電力を支えている。現実として認めざるを得ない」と是認。一方で、鳩山氏は先月28日の記者会見で「原子力は過渡的エネルギーの最たるもの」と述べている。【須藤孝、津村豊和】
毎日新聞 2006年8月2日