東京・霞が関の官庁で働く職員の不払い残業は推計で129億円に上ることが、同地区で働く国家公務員の労働組合でつくる「霞が関国家公務員労働組合共闘会議」の残業実態アンケートで分かった。省庁別の月平均残業時間では、労働政策を担当する厚生労働省の旧厚生省が91.6時間、旧労働省が79.2時間でワースト1、2位と皮肉な結果となった。
残業実態調査には、同会議に参加する22組合(加入約1万人)のうち、厚労省、経済産業省などの11組合が参加、4578人から回答を得た。それによると、月平均の残業時間は39時間(前年42.9時間)。超過勤務手当は、人事院の指針で1カ月30時間と決められていることから、同地区の公務員約4万5000人の不払い賃金を推計した。
残業の理由(二つ選択)としては、(1)業務量が多い(61.6%)(2)国会待機(23.9%)(3)不合理な仕事の進め方(22.1%)など。過労死の危険を「感じている」「過去に感じた」と答えた人は、合わせて34.2%に上った。
省庁別では、旧厚生、旧労働に続き、経産省の51時間が多かった。旧厚生の組合員は「重要法案が多く、残業が多くなった」と話している。同会議は今後、総務省に勤務時間の実態把握などを求める。【東海林智】
毎日新聞 2006年8月2日