児童虐待、児童買春事件の検挙件数、2000年から2006年
今年上半期(1~6月)の児童虐待、児童買春事件の検挙件数が、いずれも統計を取り始めた00年以降で最も多くなったことが、警察庁のまとめで分かった。虐待による被害児童数も128人(前年同期比18.5%増)と「最悪」。今年2月には群馬県で25歳の父と28歳の母が長男(3)に対し、しつけと称して水風呂に約2時間つからせるなどの虐待を続け、死亡させる痛ましい事件も起きた。こうして死亡した児童は28人(同27.3%増)に上り、01年の31人に次いで多かった。また虐待死以外でも、殺人事件などで子どもたちが犠牲になる事件が目立っている。
同庁によると、児童虐待事件の検挙件数は120件(同14.3%増)だった。被害児童128人の態様別では、▽暴行など身体的虐待92人▽わいせつ行為など性的虐待24人▽ネグレクト(育児放棄)12人だった。虐待で死亡した被害児童28人の内訳は、▽殺人の犠牲17人▽傷害致死8人▽保護責任者遺棄致死3人だった。
また、児童買春事件の検挙件数は861件(同16.5%増)で、検挙人数は609人(同21.8%増)だった。児童ポルノ事件の検挙件数は226件(同37.8%増)、検挙人数は144人(同41.2%増)になり、いずれも00年以降で最悪になった。
児童買春の被害にあった児童は750人(同8.4%増)で、児童ポルノの被害者は83人(同8.8%減)だった。
一方、13歳未満の少年が被害者になる刑法犯の認知件数は1万4467件(同4.4%減)だったが、3月に神奈川県で起きた男児(9)投げ落とし事件や5月の秋田県の男児(7)殺害事件などの凶悪事件が多発、被害件数はほぼ横ばいの99件に上った。
逆に、刑法犯として検挙された少年は5万96人(同14.7%減)と減少。しかし、検挙された少年の再犯率は31.0%(同2.1ポイント増)で、89年以降で最も高くなった。【遠山和彦】