大阪府茨木市のマンションなどでの女性連続監禁事件で、先月まで約5カ月間監禁されていた堺市の女性会社員(24)が府警捜査本部に対し、無職、村本卓也容疑者(42)=逮捕監禁、傷害容疑で逮捕=から木の棒で「頭部や両肩の同じ場所を、治りかける度に繰り返し殴られた」と証言していることが分かった。女性には黒いかさぶたのようなだ円形の傷が残っており、陰湿で執ような暴行を裏付けるという。食事もほとんど与えられず、栄養失調から血液中のヘモグロビン濃度が通常の約6分の1にまで低下していたことも判明。女性は生死をさまよう極度の貧血状態だった。
調べでは、女性の傷は頭頂部と両肩にいずれも長さ十数センチ、幅数センチ。一方、ヘモグロビンは体内で鉄分などが不足すると十分つくられず、体中に供給される酸素の量が不足することで、貧血症状が表れる。
赤血球も正常値から大幅に低く、長期間出血し続けたことがうかがえるという。捜査本部に対し、女性は「逃げようとしたらライターを当てられた」と話し、アイロンやライターなどで押し付けられたようなやけどの跡もあった。女性は先月15日、村本容疑者が「同居人の体調が悪い」などと119番通報し保護された。消防が搬送する時は立つことができず、1カ月以上の重傷という。【石川隆宣、隅俊之】
毎日新聞 2006年8月8日