村本容疑者の部屋を捜索する捜査員ら=大阪府茨木市中総持寺町で3日午後2時13分、幾島健太郎写す
大阪府茨木市のマンションで若い女性が次々に監禁され、1人が死亡し、1人が衰弱死寸前で保護された事件で、村本卓也容疑者(42)=逮捕監禁、傷害容疑で逮捕=が、保護された大阪府内の女性会社員(24)と交際するきっかけとなった昨年5月のお見合いパーティーに会員登録した際、実際に住んでいない場所を登録していたことが府警捜査本部の調べで分かった。交際中には、女性に「友人と付き合うのをやめて」などと依頼していた。捜査本部は、村本容疑者が監禁を当初から計画し、身元が特定されないようにして、捜査が及ぶのを避けようとしていたとみている。
調べでは、村本容疑者が、お見合いパーティーの主宰会社に参加登録した住所は、父親の住む茨木市の実家。実際は、父親所有の賃貸マンションに住み、空き部屋を監禁場所にしていた。
女性も昨年5月のパーティーに友人2人と参加。村本容疑者から「友人と会うのをやめてほしい」と依頼され、女性も2人に村本容疑者の名前を知らせていなかった。女性が行方不明になり、警察署はパーティーの参加登録者リストを友人らに見せたが、村本容疑者の顔は分かるものの名前が分からず、捜査は行き詰まったという。
さらに04年3月に死亡した広島県出身の女性(29)は勤めていた奈良県の美容室の寮を、03年9月に「駆け落ちする」と言い残して引き払い、行方が分からなくなった。村本容疑者が「駆け落ちする」と言わせて、捜査を封じる意図があった可能性も出ている。
捜査本部は4日午後、村本容疑者を逮捕監禁と傷害容疑で送検した。【石川隆宣、隅俊之】