メキシコ市・庭田学】キューバのフィデル・カストロ国家評議会議長(79)が病気のために最高指導者の権限を一時的に委譲して7日で1週間がたった。議長の病状の詳細は明らかにされていないものの、キューバ指導部は「順調に回復している」と連日繰り返している。「数週間以内」の職務復帰が可能ならば、9月にハバナで開催される非同盟諸国首脳会議にカストロ議長が姿を見せるかどうか焦点となりそうだ。
非同盟諸国会議は9月11~16日にハバナで開かれ、首脳会議は15、16日に予定されている。キューバがホスト役になるのは27年ぶりで、9月から3年間、同会議の議長国となる。米国との敵対関係が50年近く続くキューバにとって、第三世界諸国との連帯をさらに深める機会となる同会議は、国の威信をかけた今年最大の行事だ。
カストロ議長の病状については7日、キューバ共産党機関紙グランマ(電子版)が「友人の一人が回復ぶりに感激したと語った」とし、議長が強じんな体力を維持していると報じた。AP通信によると、キューバのラヘ副議長は訪問先のコロンビアで同日、「良好に回復している。議長自身が言っているように数週間で職務復帰するだろう」と述べており、非同盟諸国会議までに権限の一時委譲を解除する可能性も出てきている。
毎日新聞 2006年8月8日