日銀が8日発表した7月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、民間銀行の貸出金の月中平均残高は、前年同月比2.2%増の385兆2657億円と、6カ月連続で前年同月比プラスとなった。伸び幅は前月より0.4ポイント拡大し、96年3月以来の伸び。景気拡大で運転資金やM&A(企業の合併・買収)などの資金需要が増え、銀行の貸し出し姿勢も積極化していることを示した。
日銀は7月14日にゼロ金利を解除したが、「企業向け貸し出しの基準となる短期プライムレート(最優遇貸出金利)は8月からの引き上げで、影響はまだない」という。
一方、日銀が同日発表した7月のマネーサプライ(通貨供給量、速報)によると、代表的指標の「M2+CD」(現金、要求払い預金、定期性預金、譲渡性預金の合計)の月中平均残高は、同比0.5%増の712兆3000億円。伸び幅は前月より0.7ポイント縮小し、93年4月以来の低水準だった。【野原大輔】
毎日新聞 2006年8月8日