【ワシントン木村旬】7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米最大の油田が操業停止に陥ったことを受け、指標である米国産標準油種(WTI)の9月渡しは一時、1バレル=77.30ドルと、7月13日につけた過去最高値の78.40ドルをうかがう水準に急騰した。終値は前週末比2.22ドル高の76.98ドル。ロンドン国際石油取引所の北海ブレント原油9月渡しも一時、78.64ドルと最高値を更新した。
米石油大手BPが米アラスカ州の油田のパイプラインに腐食が見つかったとして、操業停止にすると発表した。同油田の生産量は全米の8%を占め、操業再開には数週間から数カ月かかるとの見方があり、ドライブシーズンがピークを迎えている米国でガソリンなどの需給ひっ迫懸念が強まって、相場を一気に押し上げた。
一方、ロイター通信によると、ボドマン米エネルギー長官は7日、BPの油田操業停止に伴い、米政府の戦略石油備蓄からの緊急放出を検討する考えを明らかにした。
毎日新聞 2006年8月8日