厚生労働省兵庫労働局の裏金事件で、収賄と詐欺などの罪に問われた元同局職員、斎藤剛被告(45)=懲戒免職=に対し、神戸地裁は9日、懲役4年(求刑・懲役5年)の実刑判決を言い渡した。的場純男裁判長は「公金を適正に管理運用する職責があったにもかかわらず、裏金作りの責任者として重要な役割を果たした」と述べる一方、「背景には裏金作りが慣行化していたことがあった」と同局のずさんな公金管理体制を指摘した。
判決によると、斎藤被告は事務用品販売業者らと共謀。00年7月~02年4月、物品購入費の水増しや架空発注で同局から約8900万円を振り込ませるなど、公金計約1億4000万円をだまし取った。また00年4月~02年3月、数十回にわたり、入札を行ったように書類を偽造する「カラ入札」などで業者に文具品やパソコンを受注させ、見返りに自宅リフォーム工事代など約580万円相当を肩代わりさせた。【酒井雅浩】
毎日新聞 2006年8月10日