不要な住宅リフォーム契約を結ばせて工事代金をだまし取ったとして、埼玉県警生活環境2課と東入間署は29日、住宅リフォーム会社「幸輝」(本社・大阪市北区)の元埼玉支店長、金子清隆容疑者(37)=東京都大田区西糀谷2=を詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで逮捕した。「工事は自分が受注したが、具体的なやりとりは覚えていない」などと供述しているという。
調べでは、金子容疑者は04年1月6日ごろ、埼玉県春日部市内に住む女性(当時54歳)方を訪れて「屋根裏に雨漏りの跡がある。湿気を屋根裏から出す必要がある」などとうそを言い、不要なかくはん機2台を設置し、約25万円をだまし取った疑い。
同社は、悪質リフォームの被害に遭い、全財産約4000万円を失った同県富士見市の認知症の姉妹と契約を交わした19業者の一つ。同社の複数の元従業員が03年10~11月、姉妹方を訪れ、屋根裏の補強工事や断熱工事など計約580万円を契約した。姉妹宅の工事が端緒となり、悪質リフォーム問題が全国で発覚した。【酒井祥宏、村上尊一】
毎日新聞 2006年8月29日