高松塚古墳:石室解体へ「断熱覆屋」がほぼ完成
国の特別史跡・高松塚古墳の石室解体実験場(京都府加茂町)で、石室内外の温湿度を一定に保つ「断熱覆屋」がほぼ完成し、文化庁は30日、石室解体実験を公開した。
断熱覆屋は東西約8メートル、南北約9メートル、高さ約7メートルで、鋼材の骨組みに断熱材ポリスチレンフォームがはめ込まれている。
来年3月に予定される解体本番では、奈良県明日香村の墳丘を保護している体育館大の覆屋(東西約24メートル、南北約19メートル、高さ約12メートル)内部に断熱覆屋を移設。石室内部と同じ温湿度の条件で解体し、壁画への影響を最小限に抑える。
この日の実験では、石室の側石のレプリカ(幅77センチ、奥行き55センチ、高さ112センチ、重さ1.2トン)を鉄製の機材で挟んで持ち上げ、ステンレス製の防護枠に入れ、壁画の面が上になるよう、クレーンでつり上げた。
毎日新聞 2006年8月31日