【パリ福井聡】不法移民が急増しているスペインのデラベガ第1副首相は4日、今年に入って小型ボートなどで入国する不法移民が2万1000人を超えたとして、国内での規制強化と共に移民を出す側の国にも一層の規制を訴えた。
世論調査でも、最大関心事として移民問題が失業問題の2倍近くに達している。スペイン政府は欧州連合(EU)諸国に、来月のEU首脳会議で移民問題を最大のテーマにすべきだと主張している。第1副首相は「もはやこれ以上の移民到来を許容できない。違法に入国した者には強制退去処分を取る」と強調した。
4日発表された世論調査は、スペイン国民の最大関心事を移民問題64%に対し失業問題は38%とし、別の調査は「国民の30%が移民問題を憂慮している」としている。
毎日新聞 2006年9月5日