福岡地裁は7日、車上荒らしの首謀者として窃盗罪に問われた福岡市東区唐原、無職男性(26)に無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。松藤和博裁判官は「共犯者の供述は信用できず、有罪とするには合理的疑いが残る」と述べた。
男性は、知人男性と共謀して昨年2月24日、福岡市東区筥松4の駐車場で、駐車中の軽自動車からカーステレオなど2点(時価約3万5200円相当)を盗んだとして同年12月に起訴された。
立証の柱とされた知人男性の供述の信用性が争点だった。松藤裁判官は知人男性の「自分は見張り役で、男性が盗むのを見ていた」との供述について「見張り場所からは見えないはずで不自然」と指摘。「取調官の誘導に迎合した可能性がある」などと信用性を否定した。【木下武】
毎日新聞 2006年9月8日