富士ゼロックスシステムサービス(東京都千代田区)が取り扱う地方自治体の戸籍情報が流出した事件で、同社に派遣されていた関係会社社員の田辺祐樹容疑者(25)=脅迫容疑で逮捕=は、受注先の自治体庁舎内で戸籍情報をコンピューターに組み込む作業に従事していたことが分かった。警視庁捜査1課は、この作業中に情報を不正にコピーした可能性があるとみて追及している。
戸籍情報システムは、自治体から引き受けた戸籍情報をデジタル化して磁気ディスクに記録。専用ソフトを取り込んだコンピューターとともに自治体に納入。富士ゼロックスシステムサービス社によると、田辺容疑者は磁気ディスクの情報をコンピューターに組み込んだり、古くなったコンピューターから新しいものに情報を移し替える作業を庁舎内で行っていた。
同社は、717の自治体に戸籍情報システムを納入し、シェアは全国トップ。田辺容疑者は03年7月以降、うち約180カ所に関与した。情報は、同社への脅迫を実行したとされる無職、内野浩貴容疑者(30)=同=に売ったと供述している。【鈴木泰広】
毎日新聞 2006年9月8日